雪の奥穂高岳

行 程
10月12日:鍋平アルプス展望園地〜新穂高〜穂高岳山荘
10月13日:穂高岳山荘〜奥穂高岳〜ジャンダルム基部〜奥穂高岳〜穂高岳山荘〜新穂高〜鍋平アルプス展望園地

参加者:会員1名

10月の3連休は会員2名での山行を計画していましたが、相棒の仕事の都合で3日前に中止に。どうしようか思案の末、ロープを使わなくても行ける奥穂高岳〜西穂高岳単独縦走にスイッチしました。初日は標高差1,900mを登らなければなりませんし、2日目はバランスを崩しては大変なので、なるべく荷物を軽くしようと思って小屋泊まりとしました。直前にキャンセルが出たようで最後の数名の枠に滑り込みました。

【10月12日:晴れのち雪】

秋晴れ予報の3連休初日、新穂高の駐車場は混むだろうと予想し、朝4時には新穂高に着きましたが、新穂高登山者用駐車場は言うに及ばず、鍋平登山者用駐車場も満車! 鍋平アルプス展望園地まで行ってようやくスペースを見つけました。35分かけて新穂高まで歩き、ようやくスタートラインに立てました。

登路に選んだ白出沢登山道は標高差1,900mを登るルートですが、1日で穂高岳山荘まで入れるのが魅力です。2時間ほどの林道歩きの後、気持ちの良い樹林帯の登りが続きます。しかし、それが終わるとゴルジュ帯の通過となり鎖場やハシゴが連続します。最後の標高差800mはガレ場で、ペイントを頼りに歩きます。ルートを外すと浮石が多くなるのでルートを間違えたことがわかります。穂高岳山荘の石垣が見えてからたっぷり1時間半はかかるので、ラストスパートは禁物です。

長い登りが続きましたが、お昼前には穂高岳山荘に入ることができました。部屋でくつろいでいるとトタン屋根を打つ激しい音にびっくり。雹が降り始めました。それも束の間、しばらくすると雪に変わりました。結局、雪は14時から18時頃まで降り続きました。

白出沢登山道中間部の鎖場。
昔はボッカさんがここで荷物を受け渡ししたのでしょうか。荷継小屋跡はわずかに石垣が残るのみです。
荷継小屋跡を過ぎるとガレ場の始まりです。鞍部に穂高岳山荘の石垣が見えるのですが、なかなか近付いてきません。
振り返ると雲の中に笠ヶ岳が望まれます。
昼前には穂高岳山荘に着きました。天気が悪化してきたので早く着けてよかった〜

【10月13日:晴れ】

4時起床。外に出てみると積雪数cmで人が歩いたあとはカチカチに凍っています。不安を感じながら朝ごはんを作り、5時前には山荘を出ました。アイゼンを効かせながら奥穂高岳山頂までは快適に登ります。しかしそこからはトレースがほとんど無く、鎖やハシゴなどの人工的なエイドのない岩場はホールド・スタンスの雪を払いながら進みます。ペースが上がりません。急な登りや降りはスリップしたらおしまいですから慎重に歩を進めます。そんなこんなで時間がかかり、ジャンダルムの基部まですすんだ時点で敗退を決めました。

帰りは、奥穂高岳、穂高岳山荘と引き返し、昨日登った白出沢を降ります。上部はうっすらと雪がついており、また平らな岩の上の水が凍っていて、なかなかアイゼンを脱ぐことができません。奥穂高岳登頂を諦めて下山する、アイゼンを着けていない(持っていない?)登山者をごぼう抜きして駆け下りました。新穂高からは、鍋平まで第1ロープウェイを利用しようかとも思いましたが、標高差150mに500円払うのは割に合わないと思い、歩いて登り返しました。お昼頃には鍋平アルプス展望園地の駐車地に戻ることができました。何かと教訓の多い山行でした。

奥穂高岳に登る途中。朝焼けが美しい。
しばらく登るとだいぶ明るくなってきました。雲海の向こうには富士山が望まれます。
奥穂高岳の頂上で夜が明けました。ゆっくりはしていられません。先を急ぎます。
ジャンダルムが近付いてきました。なかなか厳しい登攀が続きます。結局ジャンダルムの基部で諦め敗退を決めました。
帰路も慎重に歩を進めます。
涸沢岳より北はほとんど雪がついていませんでした。槍ヶ岳まで縦走して新穂高に下山することも考えましたが、計画書に書かれていないことはできないので、諦めました。
 

おしまい🎵