明神岳東稜

明神岳東稜

日程 2017年5月6~7日
山域 北アルプス
メンバー 会員2名

5月6日
05:50 上高地バスターミナル
06:30 明神館
08:30 宮川コル
10:00 ひょうたん池
13:30 ラクダのコル100m手前
5月7日
07:45 ラクダのコル100m手前
08:30 ラクダのコル
12:00 明神岳頂上
14:30 岳沢小屋
16:10 上高地バスターミナル

今シーズン最後の雪山。3週間前、雪の量と雨に泣いた白馬主稜。今回の雨対策は万全だったはずだが…

5月6日

20170507_01

上高地バスターミナルを出発時点の天候は曇り。予報により、午前中からの降雨は覚悟していた。

20170507_02

明神岳方面にしっかりとかかるガス。
前回の白馬主稜山行では、出発時からの雨により、ザックから服までずぶ濡れ。テント内やシュラフ内の環境は劣悪極まりなかった。
この経験を踏まえ、今回はゴアの下はアンダーウエアのみ。残りの衣類は防水袋に入れて担ぎ上げる。乾いた服で、快適なテント生活を。

20170507_03

明神館を通過し、快適な遊歩道歩きが終了。いよいよ、雨が降ってきた。

20170507_04

下宮川谷の登り。時より踏み抜くこともあるが、大方雪が締まっており、快適な登り。

20170507_05

宮川コルに到着。雪の環境には恵まれたものの、ふくらはぎがつらい。こんなに曇っているが、サングラスいるのか??

20170507_06

ひょうたん池に到着。池は雪の下に埋まっている。雨とガスがいよいよひどい。すでに、ウエアの中は雨や汗やらで、不快な状態だ。

20170507_07

東稜の登りがいよいよ始まる。まずは雪稜が続いた。各々持参したピッケルやバイルを本格的に利用し登っていく。

20170507_08

第一段階と呼ばれる部分は、雪稜がつながっており、わざわざ岩の部分を登攀する必要がなかった。雪、草付き、岩のミックスを登っていく。

20170507_09

降り続ける雨と、ガスって全く変わることのない景色。昼過ぎにとうとう疲労と精神的な限界をむかえ、行動をやめることとする。
さて、着替えである。やはり乾いた服は気持ちいい。ガスっていてどの程度進んだか視覚的には全く分からなかったが、GPSによるとラクダのコル手前まで達していることが判明。
一気に楽観モードとなる。
テントの外は相変わらずの雨だが、翌日は晴れる。全てがうまくいっていた。
湯たんぽ代わりにプラティパスにお湯を入れ、シュラフに入れる。

温かい。まるで湯船に入ったようだ。温かいが何かおかしい。そうか!湯が漏れている!!
プラティパスに入っていた1Lのお湯が衣服はおろかシュラフを濡らしている!!
ここまでの濡らさない努力は何だったのだ…

シュラフ内の水を可能な限り排出した後、まだ乾いているナノパフを着こむ。非常用に持ってきたカイロも役立った。あとは朝を待つのみ。

5月7日

20170507_10

ずぶ濡れのシュラフ、低下したロフト、湿った衣類により、相変わらず劣悪な寝心地であったがどうやら、元気である。

20170507_11

昨日と打って変わって、好天の下登っていくが、朝一のこの傾斜はしんどい。

20170507_12
20170507_13

ラクダのコルへのくだりを経て、いよいよバットレス。バットレスを登ったピークが明神岳頂上。

20170507_14

バットレス下部の取り付きからロープを出し、本ルートの核心と呼ばれるバットレスへ。

20170507_15
20170507_16

ピッチグレードで聞いていたよりも甘く、体感Ⅲ-程度か。右に逃げずに、直登を楽しみました。

20170507_17
20170507_18

バットレス後は、向かって左寄りにルートをとるといいようだが、シュルンド等でそれを見いだせなかった。正面突破気味に登ることとなり、この後も腐り始めた雪壁と、ところどころ露出した岩の登攀が3ピッチほど続いた。

20170507_19

そして最終ピッチ。この岩の向こうが頂上だった。

20170507_20
20170507_21

1日目の常にガスに満ちた風景と2日目の青空の風景とのギャップは凄まじかった。頂上からは前穂から奥穂にかけてのラインが鮮明に見えた。終わりよければ…とは言ったもので、2日目の好天が、この山行の全てをいいものに印象付けた。

20170507_22

帰路は奥明神沢を経て、岳沢経由で下山。奥明神沢でのシリセードは快適。癖になりそうだった。
プラティパスの件など反省事項はあったが、今シーズン最後の雪山をいい形で終われて本当に良かった。
同行していただいたTさんにも感謝です。