摩利支天大滝~阿弥陀北西稜継続登攀

摩利支天大滝(アイスクライミング)
阿弥陀北西稜(厳冬期バリエーション)

日程 2021年2月11日

山域 八ヶ岳

メンバー 会員2名

07:00 赤岳山荘
09:15 摩利支天大滝取り付き
11:00 摩利支天大滝登攀終了
13:45 阿弥陀北西稜Co2650m付近(1P目)
17:00 阿弥陀岳頂上着
17:15 阿弥陀岳頂上発
18:00 行者小屋着
18:15 行者小屋発
19:30 赤岳山荘

通過ルート

昨年の大同心大滝と小同心クラックをつなげる山行と同様に、今年は摩利支天大滝と阿弥陀北西稜をつなげる山行へ。


まずは、南沢ルートから摩利支天大滝へ。
前衛の小滝で先行の2名。

順番待ちはなくてよかったが、問題の摩利支天大滝。



以前登った左側はとんでもなく難しそうになっていた。
先行のパーティは右側を登るとのことだったので、正面を登ることとした。
氷は固く、脆い。厚い氷が表層からはがれ落ちてくる。

空身ならノーテンで登れた滝も、少しの荷物を背負うだけでだいぶと辛かった。
ノーテンで行きたかったが、1テンで抜けた。

フォローのMさんも、かなりのお疲れ。


次はこの先の阿弥陀北西稜を目指して、高度を稼ぐわけだが、意外とこの岩の突破がいやらしかった。

ノートレースの摩利支天沢からの脱出。

阿弥陀北西稜に乗ったところで、大きく補給。
日当たりがいいところを選んだが、風が強かった。


少し進んで阿弥陀北西稜全景。
核心部の岩壁がそびえている。

簡単な岩のナイフリッジを越え、ロープピッチを告げるビレイ点。

下写真の岸壁基部にビレイ点。
標高は2650~2670m辺りと思われる。



ビレイ点を10mほど右にトラバースしたあたりから、ロープピッチを開始。

はじめは壁を直上し、そこから尾根上を登っていくライン取りで処理。
核心部は記録の多い左側スラブ状凹角ルートではなく、右側チムニー~ワイドハンドクラックルートを選び、その基部へ。

1ピッチ終了点まで、ランニングのハーケンやボルトは6本ぐらいは見つかった。
ロープは60mだったので、十分だった。

風は予報通り20mクラスが吹いていた。
晴れていたのだが、表面の雪や塵を舞い上げ、顔に吹き付け寒い。


2ピッチ目の右チムニールート

ここのためだけに持参したカムの出番。

カムは#1~#3を使った。
このピッチはとても短かく、フリーで処理できた。

チムニー抜け口をフォローのMさん。

ロープピッチはこれにて終了。風の強い稜線をピーク目指して歩いた。

摩利支天峰?



夕方近く、ようやく阿弥陀岳頂上へ。

時間は迫っているが、景色は良かった。
相変わらず風は強くて、荷物を降ろして休憩する気にはなれなかった。

下山の一般登山道もトレースなし。
風のためトレースが消えたのか、それとも登山者自体ピークまで登らなかったのか。
この日は阿弥陀北西稜に入ったのも我々だけだった。

中岳沢の途中まで下り、強風とおさらば。

行者小屋で補給と休憩を取り、ヘッデン下山。
12時間行動の濃密な1日が終了した。



あぁ、ハンドルタイプのアイスアックスが欲しい。