白山山行報告
山域 : 両白山地
日程 : 16年8月31日-9月1日
行程 : 大白川入山-(平瀬道)-室堂-剣ヶ峰-オコジョ探し-山小屋泊
山小屋-オコジョ探し-(平瀬道)-大白川下山
参加者: 立川単独
日本の山岳に生息する動物として、出逢いたい、見守りたい哺乳類の一つが、今回の山行の目的となったホンドオコジョである。今年は春先から標準を合わせていたのだが、3月から丸半年間、2連休すら連休がなく、機会を得られずにいた。
まだ出逢ったことがないオコジョ。岐阜県民として、まずは岐阜県のホンドオコジョに出逢いたいとの思いから、目的地を白山と定めた。それに岐阜県民には馴染みの深い山でもある。白山山域はこれまで、大学生時代のツキノワグマの調査や、食虫目動物の調査などで何度も分け入った山域ではあるが、森林限界を越えたことがなく、白山に登ること自体が楽しみであった。
そして半年ぶりの2連休を前に、山行計画書を作成し、当日のオコジョ日和を祈りに祈った。
大白川にある登山口より入山。
テンやモグラ科・トガリネズミ科動物のフォールドサインを目にしながら、4時間ほどかけて室堂に到着。室堂平の登山道にてツキノワグマの糞が落ちていた。山小屋にも室堂平におけるツキノワグマのフィールドサイン情報は寄せられているそうである。
ここまでホンドオコジョのフィールドサインは見つけられていない。というかホンドオコジョのフィールドサインを見たことがないので、少々不安。。。
山頂というものに全く興味がない私。室堂にて昼ごはんを食べながら、周囲の方にホンドオコジョ情報を尋ねたら本日宿泊予定の山小屋の職員の方であった。その方には、体力のある若者がこんな好天気に白山に来て山頂に立たなかったらダメだと、半分怒られてしまったので、御前峰に拝登させていただいた。
ここから、翌日の下山予定の昼前までホンドオコジョ探しに捧げた。
結果から言えば、400mほど離れた2地点で別個体計2個体を目視することができた。おそらく計2分間ほどの出逢いであったが、ホンドオコジョという生物が生息するフィールドで時間を過ごしたこと、なんとも表現できぬ至福であった。
図鑑通り、音や気配もなくいつの間にやら、私の視界の前に出没し、私をおちょくるようにあちこちへと移動しながら目をこちらに向ける。
一瞬、虫を襲ったオコジョ。狩りは失敗したが、肉食獣らしい鋭利な上顎犬歯を目に捉えることができた。一瞬の生物観察に際する私の感覚は研ぎ澄まされているのだと感じる。おそらく、いつもの感覚では、あの一瞬では犬歯の鋭利さなど気付くことはないかと思う。そんな自分の成長にも大変満足した。
撮影した写真を見せ、捜索にかけた時間は2頭で計20分未満という話をしたら、山小屋の方々が驚いており、かつ私のことを「オコジョくん」と呼ばれてしまった。。。
そんないつも以上に目を輝かせて後にした白山。秋風を感じながらの非常に心躍る山行であった。
次回は冬毛の白オコジョに出逢いたい!!
※「今回のホンドオコジョに出逢えた最大のポイント」
海藻食系男子の私が、海藻サラダを忘れて夕飯にソーセージを食べたおかげ。
肉食性の強いホンドオコジョですからね。
立川